ディズニー映画の日本語タイトルは英語のタイトルと大きく異なることをご存知でしょうか?
この記事ではディズニー長編映画の原題と邦題を一覧にして、それぞれの意味を比較しています。
そしてなぜ原題とは異なる邦題をつけるのかについても解説しています。
原題(英題)と全然違う!ディズニー映画の邦題
ディズニー映画には、日本語タイトル(邦題)と英語タイトル(原題)が大きく異なる作品が複数あります。
例えば日本で大ヒットした「アナと雪の女王」ですが、原題をご存知でしょうか?
答えは「Frozen(フローズン)」です。
原題だけ見たら、まさか「アナと雪の女王」のことだとは気づかないですよね?
このように、原題と邦題を比較してみるのも面白いと思い、一覧にしてみました。
ディズニー長編映画の原題・邦題比較表(意味も)
以下は過去に公開された、ディズニー映画の原題と邦題の一覧表です。
当リストは、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の長編アニメ映画と、ピクサー・アニメーション・スタジオとの共作長編アニメ映画の一覧となります。
原題が邦題と異なる場合は日本語訳も付けていますので、意味を比較してみてください。
<ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作作品>
邦題 | 原題と和訳 |
白雪姫 | Snow White And The Seven Dwarfs (白雪姫と七人の小人) |
ピノキオ | Pinocchio |
ファンタジア | Fantasia |
ダンボ | Dumbo |
バンビ | Bambi |
ラテン・アメリカの旅 | Saludos Amigos (よろしく友人) |
三人の騎士 | The Three Caballeros (三人の騎士) |
メイク・マイン・ミュージック | Make Mine Music |
ファン・アンド・ファンシー・フリー | Fun and Fancy Free |
メロディ・タイム | Melody Time |
イカボードとトード氏 | The Adventures of Ichabod and Mr. Toad (イカボードとトード氏の冒険) |
シンデレラ | Cinderella |
ふしぎの国のアリス | Alice in Wonderland (ふしぎの国のアリス) |
ピーター・パン | Peter Pan |
わんわん物語 | Lady and the Tramp (お嬢様と風来坊) |
眠れる森の美女 | Sleeping Beauty (眠る美女、眠り姫) |
101匹わんちゃん | One Hundred and One Dalmatians (100と1匹のダルメシアン) |
王様の剣 | The Sword in the Stone (石に刺さった剣) |
ジャングル・ブック | The Jungle Book |
おしゃれキャット | The Aristocats (高貴な猫) ※Aristocatsはaristocrat(貴族)をもじった造語 |
ロビン・フッド | Robin Hood |
くまのプーさん/完全保存版 | The Many Adventures of Winnie the Pooh (ウィニー・ザ・プーの大冒険) ※Winnie the Poohは原作小説に出てくるクマのぬいぐるみの名前 |
ビアンカの大冒険 | The Rescuers (救助隊) |
きつねと猟犬 | The Fox and the Hound (きつねと猟犬) |
コルドロン | The Black Cauldron (黒いコルドロン) |
オリビアちゃんの大冒険 | The Great Mouse Detective (偉大なネズミ探偵) |
オリバー/ニューヨーク子猫ものがたり | Oliver & Company (オリバーと仲間たち) |
リトル・マーメイド | The Little Mermaid |
ビアンカの大冒険~ゴールデン・イーグルを救え!~ | The Rescuers Down Under (オーストラリアの救助隊) |
美女と野獣 | Beauty and the Beast (美女と野獣) |
アラジン | Aladdin |
ライオン・キング | The Lion King |
ポカホンタス | Pocahontas |
ノートルダムの鐘 | The Hunchback of Notre Dame (ノートルダムのせむし) ※せむしとは背骨が湾曲した人のこと(猫背) |
ヘラクレス | Hercules |
ムーラン | Mulan |
ターザン | Tarzan |
ファンタジア/2000 | Fantasia 2000 |
ダイナソー | Dinosaur |
ラマになった王様 | The Emperor's New Groove (皇帝の新習慣※) ※Grooveには意味が多数あります。習慣、しきたり、得意なもの、楽しく愉快なもの、ビートに乗った演奏(グルーヴ)、溝など。 「The Emperor's New Groove」は裸の王様の原題「The Emperor's New Clothes」のパロディです。 |
アトランティス/失われた帝国 | Atlantis: The Lost Empire (アトランティス:失われた帝国) |
リロ&スティッチ | Lilo & Stitch |
トレジャー・プラネット | Treasure Planet |
ブラザー・ベア | Brother Bear |
ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え! | Home on the Range (ホーム・オン・ザ・レンジ) |
チキン・リトル | Chicken Little |
ルイスと未来泥棒 | Meet the Robinsons (ロビンソン一家に会いましょう) |
ボルト | Bolt |
プリンセスと魔法のキス | The Princess and the Frog (プリンセスとカエル) |
塔の上のラプンツェル | Tangled (もつれた、絡まった) |
くまのプーさん | Winnie the Pooh (ウィニー・ザ・プー) ※Winnie the Poohは原作小説に出てくるクマのぬいぐるみの名前 |
シュガー・ラッシュ | Wreck-It Ralph (ぶち壊せ!ラルフ、破壊屋ラルフ) |
アナと雪の女王 | Frozen (凍った、氷で覆われた) |
ベイマックス | Big Hero 6 (6人の偉大なヒーロー) |
ズートピア | Zootopia |
モアナと伝説の海 | Moana (モアナ) |
シュガー・ラッシュ:オンライン | Ralph Breaks the Internet (ラルフがインターネットを破壊する) |
アナと雪の女王2 | Frozen Ⅱ (凍った、氷で覆われた2) |
ラーヤと龍の王国 | Raya and the Last Dragon (ラーヤと最後の龍) |
ミラベルと魔法だらけの家 | Encanto (魅力、魔力) |
ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界 | Strange World (ストレンジ・ワールド) |
ウィッシュ | Wish |
<ピクサー・アニメーション・スタジオとの共同制作作品>
トイ・ストーリー | Toy Story |
バグズ・ライフ | A Bug's Life |
トイ・ストーリー2 | Toy Story 2 |
モンスターズ・インク | Monsters, Inc. |
ファインディング・ニモ | Finding Nemo |
Mr.インクレディブル | The Incredibles (インクレディブル一家) |
カーズ | Cars |
レミーのおいしいレストラン | Ratatouille (ごった煮) Ratatouilleはフランス語。主人公のネズミ(rat)と掛けている。 |
ウォーリー | WALL-E |
カールじいさんの空飛ぶ家 | Up (上がれ、上へ) |
トイ・ストーリー3 | Toy Story 3 |
カーズ2 | Cars 2 |
メリダとおそろしの森 | Brave (勇敢な、勇者) |
モンスターズ・ユニバーシティ | Monsters, University |
インサイド・ヘッド | Inside Out (裏返し、裏表) 5つの感情それぞれが、別の感情の裏返しだという意味。 |
アーロと少年 | The Good Dinosaur (心優しい恐竜) |
ファインディング・ドリー | Finding Dory |
カーズ/クロスロード | Cars 3 |
リメンバー・ミー | Coco (ココ) 主人公ミゲルの曾祖母、ママ・ココに由来 |
インクレディブル・ファミリー | Incredibles 2 (インクレディブル一家2) |
トイ・ストーリー4 | Toy Story 4 |
2分の1の魔法 | Onward (前へ、先へ) |
ソウルフル・ワールド | Soul (魂) |
あの夏のルカ | Luca (ルカ) |
私ときどきレッサーパンダ | Turning RED (真っ赤になる、赤面する) 興奮するとレッサーパンダ(red panda)変身する主人公や、赤くなる月のこと。 |
バズ・ライトイヤー | Lightyear (ライトイヤー) |
マイ・エレメント | Elemental (四元素の、自然力の) 四元素=土、水、空気(風)、火 |
インサイド・ヘッド2 | Inside Out 2 (裏返し、裏表2) |
原題に対して、邦題が同じ作品または邦題は多少違うけれど意味としては同じ作品というのが半数以上を占めています。
しかし、なかには原題と邦題では意味が全く異なるものもあります。
たとえば「私ときどきレッサーパンダ」と「Turning RED(真っ赤になる)」。邦題と原題では意味が全く違いますよね。ぱっと情景が浮かぶのは邦題の方ですが、作品の世界観をより表しているのは原題の方ではないかと思います。
では、なぜディズニー映画のタイトルは邦題になると大きく形が変わるのでしょうか?
なぜディズニー映画の邦題は原題と異なっているのか?
ディズニー映画の原題と邦題が異なる理由は以下の2つのケースが考えられます。
①原題だと日本人には意味が通じない
英語が得意ではない日本人にとって、原題の意味が理解できないという問題があります。
たとえば「塔の上のラプンツェル」の原題は「Tangled(もつれた、絡まった)」ですが、この英単語の意味を理解している日本人は多くないでしょう。
知らない英単語が題名だと、作品のイメージが湧きづらいですよね。「塔の上のラプンツェル」の方が、題名を見ただけで何となくイメージが掴めます。
こういう原題の場合は、全く異なる邦題が付けられます。
②原題だと日本人にウケない
原題のまま、もしくは原題の直訳でも問題なさそうな題名でも、意味の異なる邦題があてがわれるのは、原題が日本人にウケない(感性が合わない)という場合です。
たとえば「プリンセスと魔法のキス」の原題は「The Princess and the Frog」です。邦題も直訳の「プリンセスとカエル」で問題なさそうですが、「魔法のキス」と改変したのは、カエルよりもキスの方がディズニープリンセスのイメージとマッチするからではないでしょうか。
また「リメンバー・ミー」に関しては、原題「Coco」から、あえて英語の「Remember me」に改題しています。Cocoと父親との思い出が軸になっているストーリーなので、原題のままで良さそうなものですが、「リメンバー・ミー」としたのは、題名を見ただけで「感動物語かもしれない」という消費者の想像が掻き立てられるからかもしれません。
このように、日本市場を意識したときに、原題が日本人に馴染まなければ、邦題を日本向けに変える場合があります。
まとめ:ディズニーアニメ映画の原題と邦題は半数近くが異なっていた
ディズニー長編アニメ映画のタイトルは、半数近くの作品で原題と邦題が異なっていることが分かりました。
邦題を原題から変える理由は、英語が理解できない。もしくは原題の直訳だと日本人にはしっくりこないという場合が多いようです。