インスタグラムを運営するアメリカのメタ社は、今度、16歳未満のアカウントに関して、制限を強化することを発表しました。
この記事では、16歳未満のインスタアカウントがいつから制限開始されるのか、そして従来のインスタグラムと何が変わる予定なのかを詳しく解説します。
インスタグラムが16歳未満アカウントの制限強化を発表
9月17日、メタ社はインスタグラムの16歳未満の利用を制限する新たな機能を発表しました。
16歳未満の利用者のアカウントは、ティーンアカウントとして登録され、通常アカウントの機能の一部が制限されることになります。
(正確には17歳以下にティーンアカウントが設定されますが、16~17歳は自分で制限を緩める設定ができます)
2023年12月の時点で、10代のインスタグラム利用率は72.9%(ソース)
インスタグラムに制限が加わると、多くの10代が影響を受けることになりそうです。
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16歳未満の制限を強化する理由は?
未成年のインスタグラム利用者に制限が加えられる背景には、SNSを経由して未成年が見ず知らずの大人と繋がったり、性的搾取被害に巻き込まれるなどの深刻な社会問題があります。
そのために、メタ社はインスタグラムにティーンアカウントを導入することを判断をしたようです。
利用制限はいつから開始?日本は対象?
16歳未満のアカウントの利用制限は全世界で適用されます。
13歳から17歳の利用者は、自動的にティーンアカウントに設定され、16歳未満の利用者が制限緩和の設定変更を行う場合は、保護者の許可が必要となります。
新規アカウントを作成する場合は、本日(米国時間9/17)よりティーンアカウントが適用されます。
すでにアカウントを持っているティーンユーザーの場合、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアでは、本日より60日以内にサービスが開始されます。
そしてEU域内は年内、日本を含むその他の国と地域では、2025年1月にティーンアカウントの設定が開始されるとのことです。
何が変わる?16歳未満のインスタアカウントの制限機能一覧
インスタグラムの16歳未満に対する制限強化は、ティーンアカウント自体への制限機能追加と、ペアレンタルコントロール強化の2本柱で行われます。
それぞれの機能の詳細は以下のとおりです(2024年9月18日時点の発表内容)。
ティーンアカウントの制限機能
以下は、ティーンアカウント自体にかけられる制限機能の一覧です。
①非公開アカウント
ティーンアカウントは自動的に非公開となります。利用者の投稿は、フォロワーしか閲覧できません。
既存のフォロワーからのフォローは消されませんが、新たなフォロワー追加には承認が必要となります。
②メッセージの制限
ティーンユーザー自身がフォローしている、またはすでに繋がっている相手からしかメッセージを受信できません。
③不適切なコンテンツの制限
「不適切なコンテンツをコントロール」の設定が最も厳しく適用されます。
性的な内容や自傷行為などの過激なコンテンツはもとより、人々が争う様子や、美容整形などを含むコンテンツにも閲覧制限がかかります。
④やりとりの制限
タグ付けやメンションなどのやりとりは、ティーンユーザーがフォローしているアカウントにのみ可能です。
また、「非表示ワード」に最も高い制限が自動適用され、コメントやメッセージ(DM)に含まれる攻撃的なワードがフィルタリングされます。
⑤利用時間のリマインダー
ティーンユーザーの利用時間が60分を超えると、アプリ終了を促す通知が送られます。
⑥スリープモード
午後10時から午前7時まではスリープモードが適用されます。
通知がミュートになり、DMには自動返信メッセージが送信されます。
⑦設定変更の許可制
16歳未満のティーンユーザーが制限を緩和する設定変更を行いたい場合は、保護者の承認が必要です。
承認を受けるためには、保護者がペアレンタルコントロールを設定する必要があります。
16歳~17歳のユーザーの場合は、保護者がペアレンタルコントロールを設定していない限り、自分で変更することが可能です。
ペアレンタルコントロール機能
以下は、保護者の管理機能(ペアレンタルコントロール)の一覧です。
①会話相手を把握する
過去7日間に子どもがメッセージを送った相手を確認することができます。
※メッセージの内容を読むことはできません。
②利用時間の制限
子どもの1日あたりの利用時間を設定できます。
利用時間を過ぎるとアプリを開くことができません。
③特定時間帯の利用を制限
夜間や特定の時間帯に子どもがインスタグラムを利用できないように設定できます。
④閲覧トピックの確認
年齢に適したトピックの中から、子どもが何を選んだのかを確認することができます。
年齢をごまかして制限解除できるの?
16歳未満のティーンユーザーの中には、年齢をごまかして通用機能を利用したいと考える人もいるのではないでしょうか?
メタ社によりますと、成人の生年月日で登録しているユーザーであっても、利用内容から未成年が年齢を偽っていると判断されるアカウントを検知する技術を現在開発しており、来年早々にもテスト運用を開始する予定とのことです。
つまり、日本でティーンアカウントが導入される予定の来年1月あたりには、すでに年齢を偽証してインスタ登録を行うことは困難になっているということでしょう。
それに、これはあくまで可能性ですが、仮に年齢をごまかして登録できたとしても、成人後に正しい年齢で再登録しようとしたらペナルティを受けるなんてことも今後はあるかもしれませんね。
まとめ:日本では来年1月から全面的に16歳未満の制限が適用される
インスタグラムの16歳未満を対象とした利用制限の導入は、新規アカウントに対してはすでに始まっており、既存アカウントに関しては、日本の場合は来年1月頃に始まる予定です。
未成年への配慮が不十分なSNSも少なくないなか、インスタグラムのような巨大SNSが対策を強化したことは業界に大きな影響を与えるのではないでしょうか。
その反面、悪質なコンテンツは日々増加するいっぽうで、制限をかけてもイタチごっこというのが現状でもあります。
インスタグラムの制限機能が適切に機能するのか否か、今後に注目です。