【なぜ】海遊館ジンベエザメ海くん死ぬ!放流はかわいそう?

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【なぜ】海遊館ジンベエザメ海くん死ぬ!放流はかわいそう?

2024年11月6日。愛媛県宇和島市の岩松川に迷い込んでいたジンベエザメが死んでいるのが発見され、その個体が先月3日に放流された、大阪海遊館の「海くん」であると判明しました。

海くんに「かわいそう」の声が集まっていますが、なぜ海遊館は海くんを放流したのでしょうか?

岩松川で死んだジンベエザメ→海遊館の海くんと判明

2024年11月6日。愛媛県宇和島市津島町の岩松川で、前日より泳いでいたジンベエザメが死んでいるのが見つかりました。

このジンベエザメは大阪海遊館で飼育・展示されていた「海くん」でした。

海くんは体調5.9メートル。2019年に高知県の室戸沖で定置網にかかり、その後、土佐清水市の大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センターで一時飼育されたあと、海遊館で5年間、飼育・展示されていました。

そして先月10月3日午前中に、新たな海くんと入れ替えのため、海遊館から以布利センターへ移送され、午後に太平洋に放流されていました。

今後、海くんは再び以布利センターへ運ばれ、研究資料として活用されるそうです。


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「かわいそう」「無責任」死んだ海くんに同情の声

世間の反応のイメージ

海遊館の人気者だった海くんの不運な死に、Xでは悲しみの声が上がっています。

「こうなる可能性が高いことくらい分かってたよね。 命なんだよ、最期まで責任持って大事に飼育しなよ。 海に帰したんじゃない、捨てたのと一緒だ」

「ええ....これはどうなんよ? どうせ調査しても原因なんかわからんだろうし、寿命まで飼育を続けるべきだったのでは? あまりにもかわいそう。」

「生き物を飼うなら最後まで面倒を見ましょう案件」

「1回長期に飼育されて自然に放されて普通に生きるのは難しいだろ… かわいそすぎる… 網にかかって助けられたとはいえちょっとどうなんだろ…」

X.com

必要だった?!海くんが放流された理由とは?

ジンベエザメのイメージ

水族館という人間に管理されていた施設から離れた直後に死んでしまった海くんのことを思うと胸が痛みます。

しかし、海遊館は海くんを飼えなくなって仕方なく放流を決めたわけではないようです。

ではなぜ、海くんは放流されたのでしょうか。

海遊館のジンベエザメは入れ替え方式だったから

実は海遊館のジンベエザメは不定期に入れ替えが行われています。

今回の入れ替えもその一環でした。

ジンベエザメの寿命は100歳を超えると言われています。そのため、海遊館にいる2匹のジンベエザメ(海くん、遊ちゃん)は、1990年の開館当初から同じ個体だと思っている人もいるのではないでしょうか。

ですが、今回死んだ海くんは8代目、遊ちゃんは4代目なんです。

ジンベエザメの入れ替え条件は、

  • 高知県沖の定置網に新しいジンベエザメがかかる
  • 既存のジンベエザメは海遊館の水槽で一定期間飼育されている

などの要因が重なったタイミングで不定期に行われています。

生き物の入れ替えは、海遊館に限った話ではなく、他の水族館でも同様に行われていることです。

ではなぜ、海遊館のジンベエザメは入れ替えられるのでしょうか?

海くんは研究対象だったから

海遊館でジンベエザメが入れ替えられる理由は、海遊館がジンベエザメを研究対象として保護・飼育しているからです。

ジンベエザメの生態については今なお謎が多く、海遊館では飼育下の個体と自然の海で泳ぐ個体両方のデータを習得して、調査・研究を進めています。

今回死んでしまった海くんについても、水槽内での調査を終えたあと、1ヶ月かけて外洋での行動調査を行う予定でした。

過去に同様の調査を行った個体は、フィリピン海域まで南下したことが確認されています。

残念ながら海くんは絶命してしまいましたが、海遊館としては研究対象である海くんの放流について、万全の準備を行い、細心の注意を払っていたはずです。

とはいえ、海くんの件のようなリスクがあるのに、なぜ海遊館はジンベエザメの研究を行うのでしょうか?

研究は絶滅危惧種のジンベエザメを守るために必要だから

水族館のイメージ

海遊館はジンベエザメを守るために研究を行っています。

ジンベエザメは現在、絶滅危惧種に指定されているのですが、生態に関して解明されていない点が多いため、生態調査が欠かせません。

海遊館は北海道大学と共同で、平成23年からジンベエザメの回遊経路調査(バイオロギング)を続けています。

調査・研究は水族館の大事な役割

水族館は生き物を展示して人々を楽しませてくれるだけではありません。

種の保存や生き物の生態や飼育法などの研究調査を行うのも、水族かんの大事な役割です。

まとめ:ジンベエザメ放流は研究調査のためだった

放流して間もなく死んでしまった海遊館の人気者「海くん」。不幸でかわいそうな出来事が残念でなりません。

しかし、海遊館は無責任に海くんを放流したわけではなく、絶滅危惧種であるジンベエザメの生態調査のために放流を行ったということが分かりました。

海くんの犠牲について、水族館を責める人がいることは理解できます。しかし、本当に責めるべきは、乱獲や海洋汚染によってジンベエザメの生態を脅かしているわれわれ人間全体ではないでしょうか?

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