2024年の夏は「10年に一度の暑さ」と言われるくらい高温日が続くと予想されています。
熱中症リスクを知らせる熱中症警戒アラートが発令される日も増えるでしょう。
高齢者は熱中症になりやすいため特に注意が必要です。
この記事では熱中症警戒アラートが発令されるような猛暑日に高齢者が取るべく対策と、熱中症リスクにいち早く気づくためのおすすめグッズを紹介します。
熱中症警戒アラート発令の猛暑日に高齢者が気をつけるべき対策は?
熱中症警戒アラートは、気温や湿度などの条件が熱中症のリスクを高めると予想される場合に発令される警報です。
熱中症警戒アラートが発令されたら、意識的に水分補給や室温管理といった予防対策をとる必要があります。
一般的に、高齢者は汗をかきにくく体温調節機能が低下しているため、熱中症になるリスクが高いとされています。
熱中症警戒アラートが発令されているような暑い日には、高齢者は熱中症予防のために、以下の対策を行いましょう。
高齢者の熱中症対策①水分と塩分補給
高齢者は喉の乾きを自覚しにくいと言われています。また、トイレが近くなるのを避けるために、水分摂取が遅くなりがちです。
そのため、こまめな水分補給を意識的に行ってください。
また、体に効率よく水分を吸収するためには、塩分(ナトリウムやカリウム)も必要です。
水だけを飲むのではなく、スポーツドリンクや経口補水液など電解質を含むものや、ミネラルを含む麦茶や、フルーツジュースなども取り入れるようにしましょう。
もし水分を飲み忘れるようであれば、「〇時にコップ一杯飲む」というように給水スケジュールを決めるのもおすすめです。
高齢者の熱中症対策②通気性の良い服装
暑い日は体の熱を逃しやすいような、軽くて通気性の良い素材の服を選びましょう。
どうしても外出しなければならない場合は、帽子や日傘などを使って直射日光が当たるのを避けましょう。
高齢者の熱中症対策③室内温度の管理
エアコンや扇風機、サーキュレーター等を使用して、室内を適切な温度に保ちましょう。
室内の温度は28℃を上回らないよう心がけてください。
近年は夜間でも気温が下がらない日も珍しくありません。「熱中症の4割は夜間や睡眠時に起こる」(兵庫医科大学の服部益治医師)ともいわれていますから、熱帯夜には、無理にエアコンを切らず、寝る前の水分補給も欠かさず行いましょう。
高齢者の熱中症対策④休息を取る
気温が高い時間帯には、無理に活動をせず、涼しい場所で休みましょう。
高齢者は安静状態でも熱中症になる場合があります。暑いなかで活動すると、さらに熱中症のリスクを高めてしまうことになります。
とくに熱中症警戒アラートが発令されている場合は、不要不急の外出はできるだけ避けましょう。
高齢者の熱中症対策⑤栄養バランスを取る
暑い日には栄養バランスの良い食事を摂りましょう。
暑さの影響で食欲が落ちてしまうと、食べられるものが限られてきて、栄養が偏りがちになってしまいます。
夏の暑さを乗り切るには、タンパク質が欠かせません。
肉や魚、大豆製品など、タンパク質が多く含まれる食品を意識して食べるようにしましょう。
ささみや白身魚、卵、豆腐、納豆など脂肪分が少ない食品は、食欲の落ちる夏場にもおすすめです。
ビタミンやミネラルを含む野菜や果物も一緒に食べることを心がけましょう。
熱中症警戒アラートや気温上昇に気づかない高齢者への対策は?
高齢者の熱中症対策には、先ほど紹介した、5つの予防対策を日頃から行うことが肝心です。
そしてもう一つ肝心なことは、熱中症に対する危機意識を持つことです。
熱中症警戒アラートが発令されているのに、それに気づかない(テレビやスマホを使用する習慣がなく、情報が入ってこない)場合、高齢者自身の感覚で暑さレベルを自己判断してしまい、気づいたときには熱中症になってしまうということがよくあります。
また、居住地域に熱中症警戒アラートが発令されているのにもかかわらず、室内は日陰だから大丈夫と過信して、エアコン等を使わずに熱中症になってしまう高齢者も少なくありません。
体温調節機能が低下し、暑さを感じにくい高齢者にとって、熱中症のリスクを敏感に察知するのは難しいことです。
熱中症が警戒される暑い日に、素早く熱中症予防の行動をとるためには、高齢者に情報を知らせることが大切です。
家族や知人が熱中症リスクを知らせる
熱中症のリスクがあるときは、高齢者の家族や知人が危険であることを伝えましょう。
熱中症予防グッズを使って知らせる
熱中症予防グッズを利用して、熱中症リスクを知らせるという方法もあります。
いくら家族が忠告しても「私は大丈夫!」と言って聞いてくれない高齢者でも、データに基づいて注意喚起してくれる機械の情報なら受け入れてくれる場合があります。
また家族と離れて暮らす高齢者のリスク管理においても予防グッズは役立ちます。
熱中症予防ができる高齢者におすすめグッズ5選
熱中症予防グッズのなかでも高齢者に人気の高いおすすめ商品を5つご紹介します。
デジタル温湿度計CR1200(株式会社クレセル)
デジタル温度計CR1200は熱中症リスクと、季節性インフルエンザリスクを知らせてくれる、壁掛け・卓上両用温度計です。
顔文字で危険度を表示してくれるので機械に不慣れな高齢者でも直感的にリスクをチェックできます。
気温は0.1℃単位で、10秒ごとに計測してくれるので、リアルタイムの正確な危険度が把握できます。
熱中症リスクが高まると、ランプとブザー両方で警告してくれます(どちらもON・OFF設定可能)。
<デジタル温湿度計CR1200の口コミ>
- 顔文字と大きな温湿度表示が分かりやすくていい
- エアコンを付けるタイミングが分かりやすくなった
- 他の商品よりも温度表示が大きいので見やすい
タニタ温湿度計TT-555「SiRACEL(シラセル)」
タニタ温湿度計TT-555「SiRACEL(シラセル)」は、熱中症、カビ・ダニ、食中毒、季節性インフルエンザの危険性を光と音声でお知らせしてくれる卓上温湿度計です。
デジタルモニターのサイズは小さめですが、「温度と湿度を下げましょう」といった音声とライトで案内してくれるので、高齢者に非常に親切です(ライトのON/OFF、音声ボリューム調整可能)。
温度表示は0.1℃単位。安心のTANITA製で高精度、高品質です。
<タニタ温湿度計TT-555「SiRACEL」の口コミ>
- コンパクトサイズで圧迫感がないのがいい
- 光の色で知らせてくれるので認知機能が低下した高齢者にも好評
- 音声通知なので見忘れる心配がないし、タニタで信頼感がある
にゃんこ計(ハシートップイン)
にゃんこ計は温度と湿度をおしゃべりと尻尾の光でお知らせしてくれるネコ型温湿度計です。
頭を1回撫でると尻尾を光らせながらおしゃべりを始め、2回撫でると現在の温度と湿度のお知らせと、温度と湿度の上げ下げアドバイスをしてくれます。
「熱中症がこわいー」
「寒いからお膝にのせてくれないかにゃー」
などいろいろな言葉でかわいくおしゃべりしてくれるので、ついつい撫でたくなってしまします。
頭を撫でなくても、10分に1回尻尾の光の色で注意度を、60分に1回おしゃべりで温湿度と部屋の状態を自動で知らせてくれます。
<にゃんこ計の口コミ>
- デイサービスに持っていったら大好評でした
- 温度計をいろいろ買っても効果なしでしたが、今ではにゃんこちゃんが喋ると応えるまでに
- いろんな言葉を話して癒やされる
熱中症対策ウォッチ「カナリアPlus」(BiodataBank)
カナリアPlusは、熱中症対策に特化したスマートウォッチ型の防水センサーです。
「熱ごもりセンサー」という深部体温の上昇を検知する独自特許技術を用いて作られています。
この商品は、熱中症リスクを検知したら、光と音だけでなく振動でも知らせてくれるため、耳の遠い高齢者や、騒音の多い屋外、睡眠中などでもアラートに気づきやすくなっています。
1シーズン(約5ヶ月)使いきりの商品ではありますが、その分電池交換で故障のリスクが少なく、操作性も非常にシンプルなため、高齢者が使うのにおすすめです。
国内メーカーの国産品なので困ったときも安心です。
<カナリアPlusの口コミ>
- 就寝時のアラームで大事に至らず助かった
- 高齢の母が気に入っている
- 感度が良く、自分では大丈夫だと思っていても危険な状態になっていた時に知らせてくれた
携帯型熱中症計「見守りっち」(ヒロモリ)
「見守りっち」は、日本気象協会が監修した携帯型の熱中症計です。
10分おきに熱中症リスクを自動計測し、5段階のランプ表示と、高齢者にも聞き取りやすい1kHzのブザー音でお知らせしてくれます。
軽量コンパクトなので、ネックストラップなどに取り付ければ、1日中肌身離さず持ち歩くことができます。
<見守りっちの口コミ>
- 高齢者にはこれぐらいシンプルなものが良い
- ウォーキングが趣味の母のお気に入りです
- 機械が苦手でも見守り機能つきなのが安心
まとめ:予防対策とアラートチェックで高齢者の熱中症を防ぎましょう
高齢者は体温調整機能が低下しているため、安静時でも熱中症になることがあります。
熱中症予防のためには、水分補給や室温管理、食事の栄養バランスなどに日頃から気をつけることはもちろん大切ですが、危険を察知することも肝心です。
熱中症警戒アラートが発令されたら、「自分は大丈夫」と過信せず、しっかり予防策をとりましょう。
また、アラート機能の付いた温度計などを利用して、生活環境の熱中症リスクをリアルタイムでチェックすることをおすすめします。